2021.12.21 Tue
ローカル5G検証システム「AU-500」の後継機として通信容量、端末接続数を増やしハンドオーバーに対応した「AU-650シリーズ」の販売を開始しました。
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ローカル5Gは、「大容量・超低遅延・多数同時接続」といった第5世代通信システム(5G)の特長を活かし、スマートファクトリーや鉄道、港湾などの重要インフラのデジタル化など、さまざまな分野で期待されています。ローカル5Gは、一般企業や自治体のローカルニーズに応じてローカル5G無線局の免許が交付され、スポット的に5Gの通信環境が構築されます。特にカバーエリアが広いサブ6帯の周波数は工場用途に期待されております。
エイビットはこれまで公的研究機関が実施する5G実証実験に参加し、5G開発の経験を積んできました。この経験を活かして2018年度に4.6GHz帯で動作する5G評価システムを開発し、2019年度に大規模マシンタイプ(mMTC)のローカル5G検証機AU-100シリーズを、2020年度にローカル5G検証機AU-500シリーズを順次、開発販売し、多くの実証実験に採用されています。ただし、これまでのローカル5G実証実験では、無線電波伝搬の調査や単独接続によるスループットの評価など基本的な無線性能評価までに限られていました。
エイビットが今回、新たに開発、販売した「AU-650」は、商用サービス実現に不可欠なシステム全体評価を目的とした実証実験に最適化しております。「AU-650」は、小型でありながら通信容量を300Mbps、同時接続可能端末数を100台にまで増やしたことで、端末が多数接続した際のシステム性能評価が可能となったほか、エリアを拡大するために複数基地局を設置した際のハンドオーバーの時の性能評価も可能となりました。更に評価現場で必要となる電波強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)や誤り率(BLER:BLock Error Rate)の測定も可能となっています。
ローカル5Gの実証実験では、AI監視カメラを想定した高速アップリンク試験、産業機器向けの低遅延イーサーネット導通試験、移動機器向けのハンドオーバー試験、スマートグラスによる遠隔作業支援を想定した双方向リアルタイム試験に対応できます。
エイビットでは、これら5G技術の知見やノウハウを活用して、ローカル5Gのコンサルティング、実証実験サポート、試験局免許申請のサポートも提供いたします。また、ローカル5Gのビジネスを共同で推進していく戦略パートナー制度も設け、さまざまな分野の会社と連携することで、ローカル5Gを加速していきます。
【主要諸元】
■システム構成:RU/CU/DU/5Gコア一体型基地局、CPEタイプ端末
■システムスループット:DL300Mbps/UL300Mbps ※1
■フレームフォーマット:可変(ユーザーによる変更が可能)※2
■端末接続数:最大100台
■無線機能:適応変調対応、2×2MIMO対応、ハンドオーバー対応
■筐体サイズ:341mm x 280mm x 95mm
※1 フレームフォーマットを変更することによりDL/ULの比率を変更することが可能。
※2 使用するフォーマットにより電波を出力するために通常の免許申請以外に関係各所と調整が必要となることがあります。免許申請に関係する調整についても弊社で承っておりますので、弊社営業担当に御相談ください。
【販売について】
■標準構成:基地局1台、端末3台
■標準価格(税込):1,500万円~
■初年度販売予定:30式(22年1月出荷開始)
■販売代理店:株式会社たけびし、株式会社日立システムズ
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